半世紀以上燕三条の産業を支えた彫り師の技術。そして卒業。

半世紀以上燕三条の産業を支えた彫り師の技術。そして卒業。

把持屋の製品を製造するうえで重要な工程になる成形押し。形を作るだけでなく、ステンレスを潰すと加工硬化し、バネ性が出ます。

四角い金型に製品の形状を彫り、昨今あまり見なくなりましたがフレキションプレスで金型と金型をぶつけて圧力かけ成形します。

洋食器で栄えた燕三条エリアには金属を彫る彫金師が多く存在してましたが、時代の経過とともに機械彫りが多くなり、彫金師がほとんどいなくなりました。

把持屋のピンセット・ツィーザーを彫り続けてくれた82歳の彫り師さんが引退されました。後継者もいなく廃業というかたちになり感謝の言葉を伝えに伺ってきました。

その際に彫り師さんは『58年いたこの4.5畳の工房から卒業らっや』って癖のある燕弁で仰ってました。いろんな思いがこもった言葉でした。

写真は奥様が鉛筆で書いた彫り師さんの作業風景です。

なんとも温かみのある絵でいつも癒されます。

58年間お疲れさまでした!

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